2019/05/29        コラム

速読について語ってみた。

     
速読 1

先日、埼玉の塾の先生のお話を聞く機会があり、先生の話を聞いて長年考えていることが少しクリアになりました。

今日はそんなお話です。

 

速読は良い!

速読は間違いなく良い!

3年前、速読に出会った瞬間にビビッときました。

 

速読

速読の詳細についてはこちら↑

 

私の経験値からすれば国語が得意な子に勉強が苦手な子は少ないです。また、中学5教科の平均点は国語の点数に近い傾向にあります。

国語が得意な生徒のお母さんに聞くと必ずと言って良いほど小さな頃に同じ本を何回も何回も読むエピソードが出てきます。好きな本を何回も何回も読むことでようやく語彙力・読解力が身につくのでしょう。

15年前の私は勉強すれば誰でも成績はすぐ伸びると思っていました。大学在学時に初めて塾・家庭教師としてアルバイトをしたときからその考えは崩れ去りました。

 

同じ事をやっているのにスッと伸びる子、時間がかかる子、、、この差はなんなんだ。

 

「その差」を考えれば考えるほど国語力の差が大きいという結論に行き着きます。もちろん、学力の全てを国語力のせいにするつもりはありません。算数の文章題が苦手だというお子さんが国語力が低いというのは半分正解で、半分間違っています。

国語力はあった方良いのですが、国語というチカラは分かりにくく、国語力を身につけさせるのは難しいです。語彙力、漢字、主語と述語の把握、短期記憶力、、、、国語力と言われるものを細かく考えればキリがありません。

そして、小学生も中学生も高校生も算数・数学・英語に目が行き国語力が忘れ去れます。

緊急で重要なことに目が向いてしまいます。

 

過去3年間、当塾で速読を受講した生徒は高校入試・全国模試で偏差値が明らかに伸びていきました。当塾だけでは母数が少ないので、証明にはならないのは分かっています。是非、速読を開発しているSRJさんにデータを取って頂きたいところです。

SRJさんお願いします!

 

「AI  VS. 教科書が読めない子どもたち」

埼玉の先生のお話を聞いたことがきっかけで、昨年(2018年)ベストセラーになった「AI Vs 教科書が読めない子どもたち」を1年ぶりに読み直しました。

 


この本は私の問題意識をキレイに説明してくれている気がしてなりませんでした。東大合格が出来るAIを開発しようとする中で、中学生・高校生の基礎的読解力が思っていたほど高くないことに気がついたという内容です。

 

著者の新井さんが問題意識を持つに至った過程を少しだけ紹介します。

 

以下の問題はRST(リーディングスキルテスト)と呼ばれる「基礎的読解力」を調査するためのテストの例題です。RSTの詳細や調査方法などは、「AI Vs 教科書が読めない子どもたち」をお読み下さい笑。

 

是非、皆さんも2つの問題に挑戦してみて下さい。

 

次の文を読みなさい

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを
選択肢のうちから1つ選びなさい。

Alexanderの愛称は(  )である。

①Alex ②Alexander ③男性 ④女性

 

いかがでしょうか?

文章自体は、中学の英語の教科書に載っている文章だそうです。日本語としても構文としても難しくないように思うのですが、調査の結果、中学生・高校生が選んだ解答は以下の通りだったそうです。(一部抜粋)

全国中学生 全国高校生
38% 65%
11% 4%
12% 5%
39% 26%

正解は、①Alex です。

正解したのは中学が38%、高校生が65%です。

正解出来なかった中学生・高校生が、この短い文章の主語と述語の関係を見抜くことが出来なかったということなのか、「であるが~でもある」が「and」という「=」の関係ではなく「But」という「反対」の関係に見えてしまったのか、「愛称」という言葉を知らなかったのかは定かではないですが、事実は、多くの高校生や中学生が教科書に書いてあることを理解出来ていないということです。

 

つぎの問題です。

次の文を読みなさい

幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。

上記の文が表す内容は同じか「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。

1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。

答えは「異なる」です。

中学生の正答率57%、高校生の正答率71%

〇×問題なのに中学生の正答率が57%だということに新井さんは驚いておられました。確かに、進学校の生徒を含めての調査ですからさすがに私も驚きました。

文章を正しく読めないことの弊害は、テスト問題や教科書が読めないだけに留まりません。文章を正確に読めないと言うことは、人の話が理解出来ないということに直結します。勉強に限らず先生が話した内容を1回で分からないお子さんは文章を読むのが苦手な傾向はあります。

人の話を聞くと言うことは、気合いと根性だけでなんとかなるものではありません。私自身も他人の話を真剣に聞くときはメモを取ります。メモを取った後、理解した内容が合っているかどうかを確かめます。

分かりやすく説明することは「先生」の腕の見せ所なのかもしれませんが、文章を正確に読めた方が集団・個別など指導形態にかかわらず学校や塾の授業の理解度は圧倒的に高くなります。難しい言葉をかみ砕いて説明する意味での「分かりやすい」には必ず誤解と嘘では無い嘘が混じります。

かみ砕いた説明を受け続けることは、自分で学ぶということを出来なくしてしまいます。だから、文章を正確に読むチカラが大事だと思うのです。

 

埼玉県戸田市の取り組み

埼玉県戸田市では2016年以降、小学6年生から中学3年生まで全員がRSTを受験し、対策を行っているそうです。「埼玉県学力学習状況調査」において、中くらいの成績だった戸田市は、中学校は1位、小学校が2位、総合で1位の成績に急上昇したそうです。国語力を伸ばすことが数学・英語の成績を伸ばすという事例になります。

 

速読は速さのみを追求している訳では無い。

確かに速読の売り文句は文章を速く読むことです。教科に関わらず大学入試や高校入試の問題が長文化していく中で、速く読めることにこしたことはありません。日本人の平均読書速度では問題文すら到底読み終わらないのが兵庫県公立高校入試と大学入試です。

 

テクニックではなく正確に読む練習

しかし、速読が良いと断言出来る理由は「速さ」を鍛えることではありません。

 

「速読のトレーニング問題ってRSTの問題に似ているんだよね」

戸田市の事例を近くで見ていた埼玉の塾の先生に言われて気がつきました。

確かに、その通りだと思いました。速読のトレーニングとRSTは非常に似ています。

速読2

解くトレーニング①

速読 1

解くトレーニング②

 

書いてあることを正確に読む練習です。

 

高校生が全国模試の国語で良い点数をとるためには、書いてあることを正確に読むだけでは点数が取れない気はします。中学国語と違い専門的な評論内容になるので経済・医療など専門用語を知っておかないと意味が分からなくなるというのが理由です。英語長文で単語力が不足しているから意味が分からないということに似ています。

 

英語が苦手な生徒(全国偏差値40~50程度)に単語を1000~2000個覚えて貰うと偏差値が10~15程度上がります。10上がるのか、15上がるのかの差は文章を正確に読むチカラです。

 

速読をやったからといって劇的に国語力と成績が上がるというわけでもありません。恐らく、毎日のように新聞を読む子、狂ったように同じ本を読み続けた子、主語と述語で会話できる子、好奇心旺盛で何にでも興味を持つ子、日常的に語彙力を増やす習慣を持っている子にはかなわないでしょう。

 

それでも速読をオススメします。

勉強が苦手な子が1番辛いことはいざ勉強したときに中々成果に表れないことです。まじめに授業を聞いているのに、まじめに理解しようとしているのに、周りの大人から怒られます。

 

「まじめに授業聞いているの?」

「気持ちが足りない」

「ちゃんと集中してる?」

「人の話はちゃんと聞きなさい!」

 

端から見ると集中してないとしか思えない中学生の読書速度を測ってみました。1分間に100文字~300文字しか読めていませんでした。板書が出来るはずがありません。宿題に書いてある文章をまじめに読んでいたら、、、、何時間かかるのでしょうか?だから読み飛ばすしかありません。

彼は本当に真剣なのです。

でも、怒られるのです。

こんなに悲しいことはないでしょう。

 

国語力に向き合う時間があるのは小学生までな気がします。中学生・高校生も無理ではありません。中学生、高校生になると目の前の数学・英語に時間が割かれます。事実、国語の塾に通っている生徒はごく一部です。是非、小学生は国語力を見につけることを考えましょう。

本気になった時に、結果が出やすいチカラをみにつけましょう。

 

小学生の間は絶対にテストの点数に表れない、目には見えないチカラが大事なのです。

そのひとつが文章を正確に読むチカラです。